BLM運動とは?ブラック・ライブズ・マターの発端や影響を解説
アメリカで始まったBLM(ブラック・ライブズ・マター)運動は、人種差別をなくすためのスローガンとして現在では世界中に広がっています。今回は、そんなBLM運動とは何か、そして始まったきっかけからアメリカ社会が変化するまでに至った経緯を詳しく解説します。
BLM運動・ブラック・ライブズ・マターとは?
BLM運動とは、アフリカ系アメリカ人に対する人種差別の抗議運動です。特に黒人への不当な暴力・殺害への批判を訴えています。
「Black Lives Matter」の頭文字から「BLM」といい、日本語では「黒人の命は大切だ」「黒人の命も大切だ」などと訳されます(※日本語訳に関しては諸説あり)。主な活動内容は抗議デモやハッシュタグを使った発信で、その活動は現在、世代や団体を問わず世界中に広がっています。
ブラック・ライブズ・マター波及の経緯
BLM運動が始まったきっかけや、世界中に広がった経緯をご紹介します。
トレイボン・マーティン射殺事件
2012年2月に南部フロリダ州で起こったトレイボン・マーティン射殺事件が、BLM運動スタートのきっかけとなります。
当時高校生(17歳)だったアフリカ系アメリカ人のトレイボン・マーティンが、元警官の自警団員でヒスパニック系白人のジョージ・ジマーマンに射殺されました。不審者とみなされ射殺されたマーティンは、そのとき武器を持っていませんでした。しかし、正当防衛を主張した自警団の白人男性は、2013年に無罪となります。
この判決を受け、3名の黒人女性アリシア・ガーザ、パトリッセ・カラーズ、オーパル・トメティがBLM運動を始めます。彼女たちは判決への批判を「#blacklivesmatter」のハッシュタグを使ってSNS上に拡散。その結果、SNS上で抗議が相次ぎ社会問題となりました。
警官による過剰な暴力が立て続けに
白人警察官による黒人への過剰な暴力・取り締まりは、トレイボン・マーティン射殺事件に限ったことではありません。
2014年7月のニューヨークでは、煙草販売による脱税を疑われたエリック・ガーナーがニューヨーク市警察の白人警察官による過剰な暴力により死亡します(エリック・ガーナー窒息死事件)。また8月には、ミズーリ州ファーガソンで18歳の黒人青年マイケル・ブラウンが、白人警察官ダレン・ウィルソンに射殺されました(マイケル・ブラウン射殺事件)。
白人警察官による黒人への過剰な暴力が続くなか、どの事件も白人警察官が有罪となることはありませんでした。人々はそのたびにデモ行進やハッシュタグ拡散による抗議活動を決行し、BLM運動は少しずつ広がりを見せていきました。
2020年に大規模な運動に発展
BLM運動が世界的な運動に発展したのは、2020年のジョージ・フロイド事件がきっかけです。
2020年5月ミネソタ州ミネアポリスで、アフリカ系アメリカ人の黒人男性ジョージ・フロイドが、複数の警察官から不適切な拘束を受けて殺害されました。偽札の使用容疑により逮捕されたフロイドは、警察官により頸部を膝で強く押さえつけられます。「息ができない」と20回以上も訴えるも、警察官は9分以上に渡り圧迫を続けフロイドを窒息死させました。
同行していた友人や一般人たちが、その様子を携帯電話で撮影。その動画は「#blacklivesmatter」のハッシュタグとともにSNSを通じて全世界に発信・拡散され、世界中の人々に衝撃を与えました。またこの動画が、警察の主張を覆す証拠にもなりました。
事件の翌日、関与した警察官4名は解雇されましたが、その後2週間で全米の2,000カ所以上で抗議デモが発生。そこでは、フロイドへの敬意のほか「Black Lives Matter」のポスターやプラカードが掲げられました。また6月には、テニスの大阪なおみ選手やアーティストのレディー・ガガなど、世界中の著名人たちがBLM運動に賛同し、発信・活動を行いました。
ブラック・ライブズ・マターの影響
BLM運動が活発化したことで、差別的な言動に関する見直しが世界中で広がっています。
2020年のジョージ・フロイド事件では、フロイドの首を圧迫した白人警官デレク・ショーヴィンに禁錮22年6ヶ月の実刑判決が下されました。滅多に有罪にならない白人警察官に対しこれほど長い刑が科せられたことは過去にほとんどなく、BLM運動がアメリカ社会を動かした結果といえます。また6月には警察改革法案が可決され、警察の在り方にも大きな変化をもたらしました。
また2020年のアメリカ大統領選挙では、差別を嫌うバイデン候補がトランプ候補に勝利し、新型コロナウイルス・ヘイトクライム法案など差別的な言動を禁止する動きが活発化しました。国外でも奴隷商人の像が壊される、デモ活動が活発化するなど差別への抗議運動が盛んに行われるようになりました。
差別で苦しむような人たちを支援
差別問題は深刻な貧困や争いを生み、人々の生活を脅かします。差別で苦しむ人々に対し、現在では企業や個人に関わらず多くの人々が支援活動を行っています。そして、私たちにできる支援活動の1つが「もったいない運送」の利用です。
もったいない運送は、自宅やオフィスなどで処分に困る不用品を回収するサービスです。回収した不用品はリユース・リサイクルされるほか、サービスを利用するたびに以下の4つの社会貢献につながります。
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