宗教戦争とは?なぜ起こるのか原因を現代の事例と共に紹介
戦争は人種や文化の違いから対立が生まれ、争いに発展しますが、宗教がその原因になるケースも少なくありません。
そして、宗教の問題が原因で生じる戦争を「宗教戦争」と言いますが、これはどういった経緯で起こってしまうのでしょうか。今回は宗教戦争が起こる原因と、現代の宗教戦争の事例について紹介します。
宗教戦争とは?貧困を生み出す原因の1つ
宗教戦争とは、宗教や信仰の違いから紛争が生まれる戦争のことを示します。
本来宗教とは、人の生きる苦しみを取り除き、人に生きる道を教えて救うもの。しかし、信者が増えて組織化したり、宗派が増えたりすると、「自分たちの宗派を守ろう!勢力をつけて広げよう」という主張と活動が強くなります。その結果、自分たちの主張を訴え、宗教観の違いから権力や領土などの資源を奪い合う戦争が始まってしまうのです。
宗教戦争の中には人種や国が異なるだけでなく、同じ国民で宗教の違いや政治的な活動で争いが生まれるものまであります。
戦争が起こると住民は安全な国へ避難し、行き場を失い難民となります。戦争で起きる問題は土地や家を破壊され身の安全の確保が難しくなる、インフラが不安定になったり、物資不足と復旧に必要な人が不足したり、さまざまです。そして、そんな問題が影響し合って、復旧も遅れてしまうという負のスパイラルも発生しています。
宗教戦争はどこで起こった?現代の事例
宗教戦争は現代でも起こり、各国で様々な問題を抱えています。
パレスチナ問題
パレスチナ問題は、2000年近くもの間、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の3つの宗教の聖地であるパレスチナで起きた紛争です。3つの宗教はそれぞれが「パレスチナは自分たちの聖地だ!」と長年主張していました。
パレスチナは2000年以上前、ユダヤ人の王国がありましたが、ローマの支配やオスマン帝国の誕生といった歴史を経て、1000年以上アラブ人が住む場所でした。しかし、19世紀からユダヤ人の間で先祖が住んでいた土地、パレスチナにユダヤの国を建国するという運動が強まり、1948年にユダヤ人がイスラエルを建国。
「長年住む聖地が奪われる!」とイスラエル建国に反対したアラブ人によって、第1次中東戦争が始まり、その結果70万人のアラブ人が故郷と家を失い、避難生活を余儀なくされました。
これにより、母国に戻れず無国籍状態で難民生活を送るアラブ人たちは560万人いると言われています。難民生活では、水道や電気のインフラが不十分なだけでなく、無国籍のため、就業制限を課されるなどの問題を抱えています。
アフガニスタン紛争/イラク戦争
アフガニスタンの紛争は2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロをきっかけに起こりました。
同時多発テロを引き起こした首謀者のウサマ・ビンラディン容疑者らをアフガニスタンが匿っているとして、アメリカがイスラム主義組織タリバンを支配していたアフガニスタンに攻撃。その数年後の2003年には、アメリカはイラクのサダム=フセイン政権が大量破壊兵器を隠し持っていると疑い、大量破壊兵器の情報開示と破棄を求めました。
結果、大量破壊兵器の存在はなかったと判明しましたが、当時疑惑が消えなかったアメリカは武力行使を決意し、国連の決議がないまま、イラクの首都バグダッドを空爆しました。
2008年に終戦を迎え2011年にはアメリカ軍が完全に撤退をしましたが、数年間の紛争によってアフガニスタンやイラクの人々は家や畑、仕事を失い、食糧難など深刻な貧困問題を抱えるようになりました。
ロシアのウクライナ侵攻
ロシアとウクライナは隣同士の国で、両国はソビエトという国を構成する15の共和国の1つでした。ウクライナには、ロシアのルーツとも言われる「キエフ公国=キエフ・ルーシ」という国家の都市キーウがあり、両国は同じルーツを持つ、同じ民族だと言われていました。またウクライナは国民の2割はロシア人で、ウクライナとロシアは文法のつくりやお互いに近い文化を持っています。
そんな同じルーツ、民族だと言われた両国ですが、2022年、ロシアがウクライナに侵攻を開始します。
侵攻の理由は、ロシアが敵と見なしている北大西洋条約機構(NATO)にウクライナが加入するのを阻止するためでした。NATOは欧州や北米の30カ国が加盟している軍事同盟で、ウクライナが加わればロシアの勢力が危ういと判断し、「ウクライナを自分たちの配下になんとしてでもしたい」と軍事的勢力で阻止しようと始まりました。
しかし、その背景には宗教が関係している、という指摘もあります。なぜなら、ロシアがウクライナに侵攻する前の2018年12月、それまでロシア正教会に所属していたウクライナ正教会が独立を宣言しているからです。これはロシア正教会の承認を得たものではなく、ロシア正教会のキリル総主教は激怒。そして、キリル総主教はウクライナ侵攻を祝福するなど、全面的に支持する姿勢を見せています。
現在も数多くの死者とけが人がいるウクライナの貧困率は、ロシアによる侵攻をきっかけに2023年前半には24%に急上昇しています。ミサイルなどの大規模な破壊により家を失い、国外避難による人手不足から経済危機が問題に。国外へ避難したウクライナ人の難民問題だけでなく、ウクライナは支援がなければ更に経済状況も悪化し、貧困化が進むだろうと懸念されています。
シリア内戦
シリア内戦は、2011年に起きた「アラブの春」をきっかけに、民主化を求める運動が起こり武装化した市民が増え、内戦状態に陥った紛争です。
アラブの春とは、20年以上の独裁政権だったチュニジアで起こった大規模なデモにより、当時のチュニジアの大統領が国外追放され、民主化運動が中東アジアへ広がった運動です。2011年当時は平和的なデモでしたが、武力で鎮圧しようとした政府に反抗した結果、運動が武装化し現在も内戦が続いています。
内戦による難民の数は、1,300万人以上で当時の国民の半分が避難生活を余儀なくされました。シリアは紛争による長期化した貧困化と経済難、物資不足が問題視され、避難生活もまた大きな問題となっています。
イエメン内戦
こちらは、2015年からイエメンで起こった内戦です。内戦が起こったきっかけは、サウジアラビアなどが支援する政権側と、イランが支援する反政府勢力フーシ派の対立です。
イエメンはもともと北イエメンと南イエメンが合併した国でしたが、南イエメンが独立を求めて北イエメンとの紛争が起こりました。
紛争後は軍事的政権で制圧されていましたが、反政府運動が高まり、サウジアラビアなどが支援する政府側と反政府勢力のフーシ派を支援するイランの代理戦争が始まりました。
このイエメン内戦では、避難民が400万にもなり、 国民の3分の2が食料不足などの貧困に苦しみ、2015年3月から累計すると300万人が避難生活をするという「世界最悪」の内戦と言われています。
宗教戦争で苦しむ国などを支援するなら
世界各国では、紛争によって避難生活を送り就労ができない、食事や物資不足に苦しむ人々が大勢います。特に紛争が長期化すればするほど貧困化が悪化し、大勢の難民が困窮した生活に陥っています。
こういった国や難民生活を送る人々にできる支援活動は、資金だけでなく物資の提供や寄付する方法もあります。それが、4つの社会貢献につながる不用品回収サービス「もったいない運送」です。
もったいない運送は、自宅やオフィスなどで出た不用品や過剰在庫を回収し、リユース・リサイクルを行った後、サービスを利用するたびに以下の4つの社会貢献につながります。
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- 途上国での修理依頼による雇用創生
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