【事例付】環境経営とは?SDGsにつながる目的やメリット
環境経営とは、具体的にどのような経営方法のことを指すのでしょうか。また、利益を重視した経営に加え、環境経営に取り組む必要性はどこにあるのでしょうか。
今回は、「環境経営とは何か」という基本的な知識から、その目的、企業に注目されるようになった経緯まで解説します。
SDGsが策定される以前から注目され始めた環境経営は、企業の事業継続を左右すると言っても過言ではありません。最後に環境経営の事例についても取り上げていますので、できることから始めてみませんか。
環境経営とは?意味や取り組む目的
環境に配慮した経営手法を「環境経営」といいます。温室効果ガスの排出抑制や、工場排水の水質管理、資源の有効利用といった環境負荷を低下させる取り組みを行い、社会的責任を果たしながら経営することを目指しています。
環境経営を行う企業は少しずつ増えています。では、なぜ企業が環境経営に注目し始めたのでしょうか。日本は1955〜60年代の高度経済成長期に豊かになりましたが、水や大気などを汚染し、さまざまな公害が発生しました。また、1980年代からは地球温暖化や森林減少、酸性雨、2000年代には天然資源の枯渇、廃棄物処分場の限界などの問題が次々と出てきました。
このような日本の歴史を紐解くと、利益のみを重視した経営の継続には地球規模で限界がきていることがわかります。そのような中、1992年にはブラジル・リオデジャネイロにて「地球サミット」が開催され、持続可能な開発を目指すための行動計画である「アジェンダ21」が採択されます。これを機に、企業の社会的責任である「CSR」の考え方が浸透し、企業の環境経営が注目されていきました。
近年では、2015年9月に国連加盟国193カ国が掲げた国際目標「SDGs」により、国民の環境への意識も変化しています。それにより、企業の環境経営の意識はより高まり、持続可能な環境経営を行う企業が増加していきました。
環境経営のメリットとデメリットとは
環境経営は、企業の事業継続にとってメリットが豊富です。しかし、捉え方によっては経営の負担となりかねないデメリットもあります。ここでは、環境経営を始める前に知るべきメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
環境経営を行う企業は、消費者・従業員・取引先・株主などの利害関係者から取り組みを評価され、企業イメージが向上します。それによって、以下のようなメリットが得られる可能性があります。
- 投資家から融資を受けやすくなる
- 国や地方自治体の優遇制度により融資を受けられる(エコアクション21など)
- 消費者に商品やサービスが選ばれやすくなる
- 優秀な従業員の確保がしやすくなる
- 新たなビジネスチャンスにつながる
また、使用する資源の有効活用や環境の保全活動に取り組むことで、資源を安定的に供給できるようになり、持続可能な経営につながります。
デメリット
環境経営により増えた業務が、従業員に負担をかける場合もあります。従業員に負担をかけることになれば、従業員のモチベーション低下につながり人材を失う恐れもあります。
また、取り組み内容によってはコストが発生する場合もあります。新事業への投資や社員教育費用、新素材調達によるコストアップなどです。環境経営にコストをかけたものの、事業が安定しない場合や従業員の負担が大きい場合、途中でやめざるを得ないこともあります。これまでかけた費用や時間が無駄になり、企業に損失を与える場合もあります。
環境経営の具体的な取り組みとは
環境省では、中小企業が自主的に「環境への関わりに気づき、目標を持ち、行動することができる」簡易な方法の提供を目的とした「エコアクション21 」を策定しています。「中小企業でも取り組みやすい効果的で効率的なPDCAサイクル」が特徴で、環境経営を検討している企業が始めやすい環境経営システムです。
具体的には、次のような取り組みを行うことが必須となっています。
- 省エネルギー
- 廃棄物の削減・リサイクル
- 節水
- 自らが生産・販売・提供する製品の環境性能の向上及びサービスの改善
- 環境経営レポートの作成と公表
実際にエコアクション21を実施している企業の、具体的な取り組み事例は次のとおりです。
- 佐川グローバルロジスティクス株式会社…廃棄勉強会・環境営業勉強会の実施、節電アクションの推進など
- 平和飼糧株式会社…温水の有効利用・蒸気もれの防止・空調温度管理など
- バンダイ株式会社…不要な荷物を積まない・窓ガラス等の断熱コーティングの実施・不良品の削減など
- 清水ペイント株式会社…再生再利用の推進・物品購入時に過剰包装されないようにする・公共交通機関の活用など
- 株式会社シービーエス…低燃費車の計画的導入・紙類の分別、回収の徹底・顧客ビルでの不使用設備の電源オフなど
参考:エコアクション 環境経営レポートを見る
エコアクション21の取り組みが認証・登録(環境省が認証する第三者機関)を受ければ、取り組み内容をまとめた環境経営レポートが公に公開され、社会的な信頼の獲得につながります。
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