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2023/3/22

余剰在庫・過剰在庫とは?そのデメリットと損失を抑える対策

余剰在庫・過剰在庫・滞留在庫とは、それぞれどのように違うのでしょうか。どの在庫も欠品を防ぐために必要な場合もありますが、デメリットとなる場合もあります。

企業の損失を抑えるためには、余剰在庫・過剰在庫が生まれる原因とデメリットを把握し、早めに対策を打つ必要があります。

本記事では、在庫管理の経験が浅い方へわかりやすく原因と対策を解説しますので、余剰在庫の防止や解消にお役立てください。

余剰在庫・過剰在庫とは?

在庫にはさまざまな分類があり、中でも余剰在庫・過剰在庫・滞留在庫は混同されやすい用語です。ここでは、この3つの在庫の違いについて簡単に説明します。

余剰在庫と過剰在庫の意味とは

余剰在庫と過剰在庫はどちらも同じ意味を指し、お客様から求められている量(需要)を上回る在庫のことをいいます。例えば、品切れを防ぐために必要以上に抱えた在庫は、余剰在庫あるいは過剰在庫になります。

余剰在庫と滞留在庫の違い

余剰在庫と滞留在庫の違いは、”売れる見込みがあるかどうか”という点です。

余剰在庫は必要以上に抱えた在庫ですが、時間が経てば売れる見込みのある在庫といえます。

それに対し滞留在庫は、破損していたり賞味期限が近かったりなど、売れる見込みがない在庫です。つまり、余剰在庫には利益を生み出す可能性がありますが、滞留在庫は負債を抱える原因になります。

余剰在庫が発生する原因の例

余剰在庫の原因には、さまざまなケースがあります。原因を知り、余剰在庫を発生させる原因を作っていないか確認しておきましょう。

在庫責任者が不明確

在庫管理には次のようなさまざまな工程があり、在庫責任者が統括する必要があります。

  • 在庫数量の把握
  • 必要数量の判断
  • 在庫拠点のデータ統括
  • 在庫を回す在庫拠点の選定
  • 生産・仕入れ量の判断

しかし、在庫責任者が不明確な場合、必要数量の判断を正確に行うことが難しいため、余剰在庫が発生しやすくなります。

在庫整理が不十分

在庫の保管場所や数を把握できていない状態では、商品を店頭に並べる際に在庫を発見できない場合があります。在庫があるにも関わらず新たに商品の発注をかけてしまい、滞留在庫を生み出す原因になります。

正確な入庫・出庫の記録と在庫状況を把握できる管理システムの導入や、在庫の保管場所の整頓が必要です。

返品在庫が増加

消費者が商品を購入したものの、思っていたイメージと異なる商品だった場合、返品されることがあります。これを返品在庫といいます。

商品が売れた後は欠品を防ぐために、必要な量の在庫が補充されます。しかし、そこへ返品在庫が加わると必要な量以上の在庫を抱えることになり、余剰在庫が発生するのです。

返品在庫が増加する理由は、販売サイトに掲載している商品情報の誤表記や商品の説明不足などが考えられます。

需要予測や販売計画のミス

適切な在庫管理を行うためには、過去の販売データや市場の需要などの情報をもとに、需要予測と販売計画を立てることが大切です。しかし、次のように需要予測と販売計画にミスが生じると売れ残りが発生し、余剰在庫を抱えるリスクが上がります。

  • 来年も今年のような売上があるだろうと予測して発注する
  • 次に流行するだろうと言われている商品の欠品を防ぐために過剰発注する
  • 天候や季節によって売上が増減する商品の発注数を調整しない

余剰在庫によるデメリットとは

余剰在庫は”売れる見込みがある商品”のため、発生させることにデメリットはないように思えます。しかし、余剰在庫にはさまざまな損失を生み出すリスクがあり、なるべく発生させない方がよいことは知っておいた方がよいでしょう。

ここでは、余剰在庫を抱えることで生じる主なデメリットを3つご紹介します。

管理や維持のコストが発生

余剰在庫は売れる見込みがありますが、管理・維持のための追加コストを発生させる場合があります。

在庫には、保管スペースや商品の品質を保つための温度管理が必要な場合もあります。余剰在庫は必要以上の在庫を抱えている状態であるため、保管スペースの増設の必要が出てくるかもしれません。その場合、保管スペースを増設・賃貸する料金や光熱費が新たに発生することになります。

余剰在庫を抱える期間が長いほどコストがかさみ、損失が膨らむデメリットがあります。

商品価値の低下

商品の中には、売れる時期が限られているものもあります。例えば、食品は賞味期限が近くなるほど品質が劣化し、今年流行しているものは来年も売れるとは限りません。

このように長期に余剰在庫を抱えると商品価値の低下を招き、売れる見込みのない「滞留在庫」になるリスクもあります。

余剰在庫が売れなければ、値段を下げて販売する必要が出てきたり、廃棄したりする場合もあります。売上が低下するだけでなく、廃棄にかかるコストで損失を出したり、企業イメージを下げたりする可能性もあるのです。

キャッシュフローの悪化

キャッシュフローとは、一定期間に会社を出入りする現金の流れのことを指します。

余剰在庫を抱えた状態とは、会社が自由に使える現金が減り、会社内の現金の流れが悪くなっている状態です。これをキャッシュフローの悪化といいます。

キャッシュフローが悪化すれば、会社はさまざまな事業に資金を投入する機会が減り、事業の拡大や利益を上げるチャンスが減ります。そのため、余剰在庫は会社の成長と売上を妨げる原因にもなるのです。

抱えた余剰在庫の処分方法!SDGsに貢献しよう

余剰在庫を防ぐためには、本記事でご紹介した余剰在庫が発生する原因を作らない、次のような対策が必要です。

  • 在庫責任者を明確にする
  • 返品在庫を防ぐために商品情報の誤表記・過剰表現を避ける
  • 正確な需要予測・販売計画を立てる

しかし、上記のような対策をしている場合であっても、余剰在庫が発生してしまうことがあります。

余剰在庫を短期間で売り切れない場合は、保管スペースや光熱費などのコストを抑えるために、処分を考える企業もあるでしょう。

もし、大量の余剰在庫のコストを抑えながら処分したい場合は「もったいない運送」をご活用ください。

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