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2023/6/9

企業が温暖化対策をすべき理由は?事例でわかる今からできること

SDGs(持続可能な開発目標)が2015年9月に掲げられたことで、温暖化対策に注目し取り組む企業が増えています。しかし、企業が資金や人材を投じてまで、温暖化対策に取り組むのはなぜでしょうか。

今回は、企業に温暖化対策が求められている理由とその効果、温暖化対策の参考になる事例についてご紹介します。温暖化対策は、企業の経営課題も解決してくれるかもしれません。社会貢献だけでは終わらない、そのメリットについてお伝えします。

企業は温暖化対策に取り組むべき?理由と効果

1997年に採択された「京都議定書」に続いて、2015年に締結された「パリ協定」では、「2013年対比で、2030年までに温室効果ガスを46%減らすこと」を日本は目標にしています。 環境省の発表では、日本で排出されている温室効果ガス(二酸化炭素)の排出割合は、家庭が20%、企業が80%になっています。そのため、企業の温暖化対策への取り組みがパリ協定の目標達成には必要不可欠なのです。

環境省では「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」を制定し、この法律に基づき「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」を開始しています。2006年から、温室効果ガスを相当量排出する事業者が排出量を国に報告することを義務付け、企業の温暖化対策への意識を高めています。

企業が温暖化対策に取り組む効果

「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」により、 企業が国へ報告した温室効果ガス排出量は、環境大臣・経済産業大臣によって集計され国民に公表されます 。温室効果ガスの排出を抑える取組みを行えば、企業のイメージアップに繋がる可能性があるため、温暖化対策を意識する企業が増えています。

帝国データバンクの調査 では、企業が温室効果ガスの排出抑制に取り組む目的として、「法令順守」が48.9%、「CSR(企業の社会的責任)の一環」が24.6%、「SDGsへの対応」が22.7%であることがわかりました。

このように、企業は自社の利益のみを重視するのではなく、企業を運営する上での責任を果たす目的で温暖化対策を行っているのです。

企業が取り組める温暖化対策の事例とは

では、企業はどのような温暖化対策ができるのでしょうか。既に温暖化対策を行っている企業の事例をご紹介しますので、ぜひ参考としてご活用ください。

エネルギー消費の見直し

再生可能エネルギーの選択や、省エネなどは、企業の規模に関係なく取り組みやすい温暖化対策です。
環境省では、企業の温暖化対策を加速させるため、企業の再生可能エネルギー導入を支援する補助事業を行っています。花王では2019年2月から 補助事業を活用し、一部の工場の屋根に自家消費型太陽光発電を導入しています。

また、中小企業に対する調査では、温暖化対策として約8割の企業が「不要な照明の消灯や間引き」、約5割の企業が「省エネを考慮した空調・温度管理」・「高効率照明の導入」を行っていることがわかりました。このように、多くの企業が省エネによる温暖化対策を行っています。

紙使用量の削減

紙の使用量を削減することにより、資源となる森林の伐採が抑えられ、温室効果ガスである二酸化炭素の量を抑えられます。

ソフトウェア開発などを行う株式会社インターコム は、ペーパーレス化の推進と再生紙の利用により、2023年度のコピー用紙の使用量を前年比で67%削減することが目標です。全従業員の給料明細のペーパーレス化、会議資料のパソコン・タブレットでの閲覧、印刷用紙は再生紙を優先して使用するなど、紙使用量の削減に努めています。

廃棄物の削減

事業を行う過程で排出される廃棄物の削減をすると、焼却時の温室効果ガスの排出量を抑えられます。

「生活協同組合コープこうべ」 では、 豆腐やパンを製造する六甲アイランド食品工場にて、食品廃棄物によるバイオマス発電を実施。約98.6%の食品廃棄物のリサイクルに成功しています。また、「全日本空輸株式会社 」ではIoT機器を利用し、在庫管理から発注を自動化することでフードロスを削減しています。

廃棄物削減による温暖化対策の有効性は、食品を扱う企業に限ったことではありません。OA機器や衣類、ファッション雑貨、家電などの“製品”を製造・販売する企業は、余剰在庫や過剰在庫の管理費用を削減するため、廃棄処分を選択するケースもあるためです。

余剰在庫や過剰在庫をリサイクル・リユースすることで、在庫の管理費用が削減できるだけでなく、廃棄物の削減により温暖化対策につながります。

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