産業廃棄物による問題とは?抑止のための法律や改善方法
事業活動を通して、必ず発生する産業廃棄物ですが、実は多くの問題と関係しています。産業廃棄物が関係する問題とは、どのようなものがあるのでしょうか。
産業廃棄物による問題と、その対策となる法律をご紹介します。また、産業廃棄物の処分が社会貢献につながる方法もご紹介します。
環境問題を引き起こす?産業廃棄物の現状
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じる廃棄物のうち、廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物を指します。具体的には、石炭がらや焼却炉の残灰などの燃えがら、鉱物性油や動植物性油などの廃油、鉄鋼または非鉄金属の破片や研磨くずなどの金属くずがあります。
一般廃棄物と産業廃棄物の大きな違いは、処理の責任や処理の方法です。一般廃棄物は廃棄物が出た場所の市町村が処理責任を持ちますが、産業廃棄物は排出した事業者や処分をする事業者が責任を持ちます。
環境省の「産業廃棄物の排出及び処理状況等(令和元年度実績)について」によると、令和元年における全国の産業廃棄物の総排出量は3億8,596万トンと発表されています。これだけ大量に排出される産業廃棄物ですが、中には爆発性や毒性を持つものがあり、適切に処理しなければなりません。
しかし、そんな産業廃棄物がさまざまな問題の原因となっているのです。
産業廃棄物による問題とは
産業廃棄物による問題は、いくつかあります。それぞれ、どのような問題なのか確認してみましょう。
環境問題
産業廃棄物に限ったことではありませんが、廃棄物の処分は焼却によって行われることがほとんどです。そして、その焼却時は地球温暖化現象の原因となる、温室効果ガスが多く排出されます。
温室効果ガスが原因となる環境問題は、地球温暖化現象だけではありません。その他にも、豪雨や台風の強大化、生態系の変化、森林火災、海面水位の上昇といった、私たちの生活に大きな影響を与える現象と関係すると考えられています。
環境問題を軽減するためには、廃棄物の問題を解決しなければならない、と言えるでしょう。
不法投棄の問題
産業廃棄物は処理のためにコストが発生します。そのコストを回避するために、産業廃棄物を不法投棄してしまう事業者は少なからず存在し、社会問題になっています。
令和4年に環境省が発表した「産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和2年度)について」によると、令和2年度に判明した不法投棄の事案は、不法投棄件数が139件、不法投棄量が5.1万トンとなっています。
不法投棄された場所は、水質汚濁や土壌汚染という問題が発生するケースも少なくありません。不法投棄が行われないためにも、産業廃棄物に関する問題は改善しなければならないのです。
公害による健康被害
産業による大気汚染や水質汚染は、公害として人体に健康被害を与えてしまう恐れがあります。それは、産業廃棄物を処理する処分場として使用された土地にも同じことが言え、汚染の恐れを完全には否定できません。
そのため、廃棄物の処分場の建設や、跡地の不動産取引の際は、その土地で起こったことの説明が重要事項となっています。
最終処分場の不足
産業廃棄物が増加すると、最終処分場が不足してしまう、という問題も発生します。産業廃棄物の廃棄量は減少傾向ではありますが、最終処分場は常に不足している状態です。そのため、産業廃棄物を排出する業者は、焼却後に発生した灰の処理に至るまで考慮する必要があると言えます。
産業廃棄物の問題を抑える法律
産業廃棄物は処分の方法を誤ると、いくつもの問題につながってしまう恐れがあります。そのため、不正を防ぐために廃棄物処理法をもとに、さまざまなルールが設けられています。産業廃棄物の処理に関する法律を確認してみましょう。
マニフェストの虚偽記載
産業廃棄物の処理は、運搬業者や処分業者に対し、排出事業者がマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付します。しかし、そのマニュフェストに虚偽記載があった場合、罰則となります。
廃棄物の量による違反
産業廃棄物の量について、規定があるわけではありませんが、虚偽の申請をすると罰則となります。産業廃棄物の量が少ないことを理由に、運搬業者に委託することなく、宅急便で処分業者まで送付した例もあります。
無許可業者への委託
産業廃棄物の運搬や処分には市町村長の許可が必要です。許可を受けていない処理業者に委託した場合は、罰則となります。また、産業廃棄物収集運搬業者が許可を受けていない産業廃棄物を運搬した場合も罰則の対象となります。
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