社会問題
2021/5/6

アフリカで紛争が多い原因は?途上国の内戦問題とは

発展途上国と言われる地域では、さまざまな問題があります。その1つが紛争や内戦の問題です。途上国は紛争や内戦が頻繁に発生することで、貧困が続いてしまいます。

この紛争や内戦は何が原因で起こってしまうのでしょうか。アフリカを始めとする、途上国の紛争問題とその原因をご紹介します。

途上国の問題!アフリカで紛争が多い原因は?

途上国が貧困から抜け出せない原因として、紛争や内戦の多発が関係していることがあります。なぜ、途上国では紛争や内戦が多発してしまうのでしょうか。

民族と宗教が分断された歴史

途上国が数多く存在するアフリカは、かつて列強と言われる国々によって分断されていました。アフリカの国境が直線的なのは、1885年のベルリン会議によって領土分割された際に、土地の状態を鑑みることなく決定した名残なのです。

これが原因で、異なる文化や宗教を持った、価値観の違う民族同士が統合されてしまい、植民地が終わったあとに問題となってしまいました。そのため、独立後は国民が対立してしまう事態が増え、これを統合するために政治的、経済的な権力が集中する結果となります。

これが独裁政治や腐敗政治を生み、貧富の格差が拡大し、民族間の衝突にも発展してしまいました。

冷戦が原因による紛争

冷戦時代、世界の各地で代理戦争と言えるものがありました。アフリカも例外ではなく、アンゴラ内戦を始めとする争いが起こります。

この時期は、介入していた国によってアフリカの政府らは支援されていましたが、冷戦が終了すると、それは唐突に終わってしまいました。それまで支えられていたアフリカ各国は経済状態を保つことが難しくなり、国内の情勢不安や暴動が頻繁に発生します。

そのため、冷戦後のアフリカは民族や人種、宗教の違いが原因で武力紛争が頻発するようになってしまいます。

資源確保による内戦

アフリカにはさまざまな天然資源が豊富にあります。原油や天然ガス、銅、チタン、コバルトなど。これらの貴重な資源は、内戦の原因となってしまいます。資源を基にした利権構造によって中央政府が腐敗し、国民の不安によって反政府勢力が登場。それにより内戦へと発展してしまうのです。

アフリカの代表的な紛争と原因

アフリカで起こる紛争や内戦は数多く存在します。その中でも代表的と言えるものをご紹介します。

中央アフリカの内戦

中央アフリカは現在も内戦が起こっている国の1つです。

2012年12月、野党と反政府武装勢力が連合し、セレカという団体が結成されました。2013年、セレカは首都バンギを陥落させ、ボジゼ大統領は国外へ逃亡。そのため、セレカのリーダーであるジョトディアが新しい大統領となり、新政権を樹立しましたが、国際社会は新政権を承認しませんでした。

さらに、国民はセレカの民兵によって抑圧され、イスラム系団体とキリスト教系の国民の対立が激化したことで、宗教対立も発生。このような情勢に加え、欧州やアフリカ連合による圧力でジョトディア政権は崩壊し、新たな大統領によって国内の安定化を図ろうとしますが、政情は安定しませんでした。

コンゴ戦争

コンゴ民主共和国は、1997年までザイール共和国という名前でしたが、紛争の影響で国名が変更されました。そのきっかけは、隣国のルワンダで1990年から1993年に起こった内紛です。この内紛はルワンダの2大民族である、フツ族とツチ族による争いがきっかけでした。

フツ族はルワンダ大虐殺を起こし、ツチ族のルワンダ解放戦線が首都を制圧することで、この戦いは終結しますが、その後にフツ族がザイール共和国に敗走します。ザイール共和国はこの頃、政治的に腐敗していたため、フツ族の武装グループの首謀者を匿い、支援まで行っていました。

これにより、ルワンダとザイール共和国で戦争へ発展。結果はザイール共和国が敗北し、国名がコンゴ民主共和国へと変更されます。しかし、表面上は終結しても、武力勢力同士の衝突は終わらず、紛争状態は続きました。

リビア内戦

リビアでは1969年から42年間、ガダフィ大佐による独裁政権が続いていました。しかし、2011年にリビア内戦によってガダフィ政権が崩壊。戦争は終わり、新たな国に生まれ変わると思われましたが、2014年に国民暫定評議会が制憲議会への権限譲渡を行わず、並立する事態が続きます。

これにより紛争へ発展し、IS系武装集団やカダフィ派残党も入り乱れ、戦いは続くことになってしまいました。

途上国の紛争地で行われる支援とは

アフリカの途上国では、紛争や内戦によって多くの難民が存在し、貧困が続く地域があります。そのため、多くの団体が食料や衛生、医療などの支援を行っています。

これらの問題に対し、私たちができることはあるのでしょうか。まずは、支援団体への寄付によるサポートが挙げられるでしょう。途上国を支える団体に寄付することで、間接的にサポートを行えるのです。

また、不用品回収サービス「もったいない運送」は、利用するだけで途上国の支援につながります。不用品がたくさん出てしまった場合は、ただ捨ててしまうのではなく、もったいない運送を利用することで、途上国の支援を行ってみましょう。

 

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