途上国の貧困は何が原因?教育や政治的な理由を考える
日本では一般的に一日三食で、安定して食事を取る人が多いことでしょう。しかし、途上国では満足に食事を準備できないほど、貧困に悩まされている人は少なくありません。
途上国では貧困は大きな問題であり、解決が進まないことでも知られています。途上国の貧困問題はどんな影響があり、何が原因で起こるものなのでしょうか。
途上国が悩む貧困問題とは
日本政府が承認している国の数は、この世界に195ヵ国あります。そのうち、途上国と呼ばれている国は140ヵ国であり、世界の7割に当たります。さらに、そのなかでもアンゴラ、ベナンなどアフリカの33ヵ国、アフガニスタン、バングラデシュなどアジアの9ヵ国、その他を合わせた47カ国は「後発開発途上国」と呼ばれ貧困に悩まされています。
経済的に貧困を測る指標は、世界銀行の「国際貧困ライン」です。これは2015年10月に、1日1.9ドル(日本円でおよそ210円)以下の収入と設定されました。貧困に悩む国は、気候が厳しく地質も耕作に不適であることが多く、農業が十分に発展しません。食糧輸入も財政力がないことから、生活に十分な栄養を確保できない状態となります。
貧困によって途上国では子どもたちの死亡率が高くなっています。国連の「死亡率推計に関する機関間グループ(IGME)」の報告書によると、2017年に15歳未満の子どもが死亡した数は推定630万人で、これは5秒に1人の割合で亡くなっている計算になります。
貧困による途上国への影響は
貧困が途上国に与える影響は、飢餓や栄養失調、子どもの死亡率だけではありません。途上国で生じている貧困問題の影響とは、どのようなものが挙げられるのでしょうか。
教育格差
貧困地域では、子どもが幼いころから働くことが多く、満足に教育が受けられません。学校に通うお金もなく、親も教育に対する意識が低いことがほとんどです。しかし、教育を受けないと経済的な発展が見込めず、貧困の連鎖から抜け出せなくなってしまいます。
性差別
貧困の影響は、教育格差と同様に性差別も生み出してしまいます。国際協力機構によると、生涯にわたって小学校に通う可能性のない女子の人数は、男子の1.5倍となっています。貧困地域では、女子の教育が軽視される傾向が強く見られ、性差別とも言えるような状況です。
医療格差が生まれる
貧困地域では多くの病気や感染症が発生していても、十分な医療を受けられない人が多くいます。近くに病院がない、医者がいないということもあり、予防できる病気であっても、命を落としてしまうケースがあるのです。いつでも安価な値段で治療を受けられる、医療インフラの確立が必要であると指摘されています。
安全な水を確保できない
貧困地域では、生活を支えるインフラの整備も難しく、安全な水を確保することも難しい状態です。水を確保するために長い距離を歩き、水源にたどり着いても動物の糞尿や泥が混じった水ということも。それでも、生きるために綺麗とは言えない水を飲み、病気になってしまい、最悪の場合は命を落としてしまうこともあるのです。
途上国が貧困から抜け出せない原因は?
このような途上国の貧困は、何が原因となっているのでしょうか。
歴史と政治
最も貧困層が多いと言われる南アフリカでは、植民地時代という悪い歴史の影響もあり、十分な収入が得られない人々が存在します。また、途上国では汚職が当然のように行われてしまうケースが少なくありません。政府や司法が権力を持つ人によって簡単に動かされてしまい、経済的な格差を生み出す原因となっています。
続く内戦やテロ
貧困地域では、内戦やテロが頻発しています。宗教や人種、民族などさまざまな理由によって起こる紛争は、人々の食や住居を失わせてしまいます。
それにより、難民となってしまい、住居や収入を得られず、貧困から抜け出せなくなってしまうのです。さらに、内戦やテロは国の財政にも大きなダメージを与え、食糧不足や医療不足を加速させ、多くの人を貧困の悪循環に陥らせてしまいます。
不十分な教育による悪循環
貧困地域では教育が不十分であることでも、悪循環に陥ってしまいます。家庭が貧困である場合、子どものころから働かなければなりません。子どものころから働いていると、教育が受けられず、経済的な発展が見込める職に就くことが難しくなってしまいます。
すると、さらに子どもの世代も同じ経緯をたどることが多く、貧困の悪循環が続いてしまうのです。
環境が原因で貧困に陥る場合も
貧困地域は、環境によって災害が起こりやすく、作物が育ちにくい状況になりがちです。干ばつによって作物が育たない。サイクロンによって農地が大きな被害を受ける。洪水で作物が絶滅するなど。このような環境によって、貧困から抜け出せなくなってしまうのです。
途上国の貧困問題に私たちができることは
途上国はいくつもの問題を抱えているため、貧困から抜け出せない状態が続いています。多くの子どもが命を落とすような状況に、私たちは何かできることがあるのでしょうか。誰でもできる支援の1つに寄付があります。多くの団体が寄付によって活動し、途上国のために支援活動を行っています。
不用品回収サービス「もったいない運送」は利用するだけで、途上国への支援につながります。途上国に安全な水を届ける、雇用創出といった支援のため、売上の一部を寄付しています。もし、このような問題に関心があり、不用品が多く出て片付けを急いでいるときは、ぜひ「もったいない運送」の利用を検討してみてください。