世界の水問題とは?現状と原因から意外な取り組みを紹介
日本に住んでいると比較的安全な水が手に入るので、世界の水問題を身近に感じることは少ないでしょう。しかし、世界のさまざまな国や地域では、綺麗な飲み水が確保できない、生活用水が足りず困っている人が多く存在しています。
世界の水問題の原因には、人口の増加や気候変動などが影響しており、深刻な危機に直面しています。こうした世界の水問題への課題に対して、まずは私たちが現状や原因を知ることが大切です。
今回は、世界の水問題の現状と何が原因で引き起こされているのか。そして、日本にいる私たちにできることは何か、という点を解説していきます。
世界の水問題とは?現状を解説
世界の水問題とは、地球上にある淡水資源が不足していることや、飲み水として安全な水の確保が困難な状況のことを指します。
世界人口の増加に伴うことで水の需要が増え、水の供給が追い付かない地域が増えています。また、水質の悪化により安全な飲み水の確保が困難、発展途上国では上下水道のインフラが整っておらず、衛生的な水の確保ができない状況です。
水資源の量的不足や水質の悪化などの問題が深刻化し、世界には今もなお安全な水を確保できない人々が多くいるため、世界の水問題は人類最大の課題と言えるでしょう。
世界の水問題が深刻!その原因とは
では、世界の水問題には具体的にどのようなことが原因になっているのか見ていきましょう。
人口増加と水資源の破壊
「世界人口白書2023」によると、2022年11月には全世界の人口が80億人を超え、前年に比べ7,600万人増加と、かつてない水準に達したとあります。世界の水問題に対しての課題が多く残る中、今後さらに人口が増えれば、生活用水や飲料産業、農業用水などの水需要はますます高まるでしょう。
水不足が進むと、河川の上流で過剰な取水や地下水の過剰なくみ上げにより、地下水位が低下して水源が枯渇することが考えられます。
人口の増加によって水需要は高まり、過剰な利用による水資源の破壊が世界的な水不足を加速させる大きな要因になると考えられるのです。
気候変動
気候変動による水問題には、干ばつや水源の塩水化、極端な気象現象の増加、氷河や積雪の減少などが挙げられます。
地球温暖化が進み、降水量が減少すれば河川の水源が枯渇し干ばつのリスクが高まります。海面上昇に伴い、地下水や河川の塩水化が進行すれば水源が飲料水として利用できなくなる恐れも。
さらに、豪雨などの極端な気象現象が増え洪水や土砂災害によって水源が荒廃、上下水道のインフラが破壊される可能性も高まるでしょう。気候変動による水問題への影響は、今後も深刻化して行くと考えられます。
インフラ設備の不足
開発途上国においては、安全な水の供給や適切な下水処理のためのインフラが十分に整備されていないことが問題となっています。
水道管の老朽化に伴う漏水、浄水場の処理能力不足などにより、安全な水の供給が課題となっている地域も多くあります。また、下水処理施設が未整備のため、生活排水や工場排水が未処理のまま河川に流れ込み水源を汚染している原因にもなっています。
インフラ整備には大きな資金が必要なため、貧困層に配慮した持続可能な設備が求められているとともに、国際社会の支援が不可欠です。
世界の水問題はSDGsの目標に
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。SDGsには世界を変えるための17の目標が掲げられ、2030年を目標の達成期限として取り組んでいます。
世界の水問題に対する目標には「6 安全な水とトイレを世界中に」と掲げられています。一部を紹介すると、「2030年までにだれもが安全な水を、安い価格で利用できるようにする」「2030年までに、今よりもはるかに効率よく水を使えるようにし、淡水を持続可能な形で利用し、水不足で苦しむ人の数を大きく減らす」といった目標が設定されています。
このように世界の水問題に対する目標には、安全な衛生的な水の確保や、多くの人に水が行き届けられるような取り組みが設定されています。世界の水問題は、他に掲げられている目標とも密接に関係しており、国際社会が一体となって取り組む必要があるのです。
世界の水問題に対して個人で取り組めること
世界の水問題について、私たち個人ができることはなんだろう……と思う方も多いはずです。しかし、むずかしく考える必要はありません。一人一人が身近なことから取り組むことで世界の水問題に貢献することができます。
たとえば、水の出しっぱなしを控えて節水する、ごみや油を流さないことで水汚染の防止に努める、食品ロスの削減で間接的な水の使用を減らすなど、個人ができることはたくさんあります。
他にも自宅やオフィスから出た不用品を寄付して、世界の水問題に貢献することができるのをご存じですか?「もったいない運送」では、家電製品やキッチン用品、ホビー用品など軽トラック1台分の不用品を回収するサービスをおこなっています。
(回収できるものは こちらからご確認ください。)
回収させていただいた不用品は、リユースやリサイクルを通じて下記の4つの社会貢献へとつながります。
- リユース・リサイクルによる環境保全
- 途上国での修理依頼による雇用創生
- 途上国へ100リットルの水をきれいにできる浄化剤の寄付
- 国内の障がい者の雇用創生
私たちの暮らしに欠かせない水は、世界を見渡すと安心安全に使うことができない国や地域が数多く存在しています。身近に出た不用品を寄付という形で、世界の水問題に直面している人々へ貢献してみませんか。