社会問題
2022/9/28

服を捨てる前に知りたい!アパレル業界の社会問題と環境問題

いつの間にか着ない服が増えていて、処分しようと思ったとき「もったいない」と感じたことはないでしょうか。

そんな方にぜひ知っていただきたい、アパレル業界が抱える問題があります。

当然のように買って着ている服ですが、実は多くの問題が裏側に存在しているのです。

この記事を読んでそれらの問題を知っていただき、服の処分について少しでも考えが変わるきっかけになれば、と思います。

服を捨てる前に?知ってほしいアパレル業界の問題

服を扱うアパレル業界は、ついきらびやかな世界であるように想像してしまいますが、実は様々な問題を抱えています。

アパレル業界が抱える問題の中でも、代表的といえる3つのものをご紹介します。

衣料廃棄物の問題

アパレル業界が抱える問題の中で最も有名と言えるものが衣料廃棄物ではないでしょうか。日本の衣料廃棄物は年間で50万トンを超えると推計されています(2020年)。また、エレン・マッカーサー財団の報告書によると、2015年の時点で「1秒ごとにトラック1台分の衣料品」が捨てられているとあり、今この瞬間も多くの服が捨てられていると考えて間違いないでしょう。なぜ、このような状況になってしまうのか、考えられる大きい原因は2つあります。

まずはファストファッションの台頭です。ファストファッションとは、ファストフードになぞらえた造語で、流行のデザインと取り入れた服を短い時間で大量生産し、売り切るようなビジネスモデルを指します。これにより、消費者は気軽に服の購入が可能となり、数回しか利用していないものも廃棄されるようになってしまいました。

もう1つはアパレル業界の商習慣が挙げられます。多くのブランドは売り切れのリスクを回避するために多くの服を生産するため、結果として売れ残ってしまうことも少なくありません。さらに、低価格化の競争激化によって、1着のコストを下げるために大量生産を行うこともあれば、ブランド価値を守るためにも在庫商品を破棄してしまう、ということもあります。

そして、服の製造と廃棄には多くの二酸化炭素が排出されます。二酸化炭素は世界中で問題となっている地球温暖化現象の原因と考えられる、温室効果ガスの1つです。地球温暖化現象の悪化を防ぐためにも、衣料廃棄物を抑える必要があると言えます。

服と環境問題の関係

服による環境問題は、二酸化炭素の排出だけではありません。まず、服を製造するために使われる化学繊維は石油や水といった天然資源を利用しています。これを大量に消費することは、資源の枯渇にもつながることです。

また、服の染色の過程で化学物質が河川に流れ込むことで水質汚染が起こっています。水質汚染は化学物質だけでなく、服の製造過程で発生するマイクロプラスチックの問題も挙げられます。

マイクロプラスチックとは5ミリ未満のプラスチック粒子のことで、自然界で分解されることがないため、食物連鎖を通して生態系に入り込み、人間の健康に影響を及ぼす可能性がある、という問題です。

労働問題

アパレル業界による薄利多売の戦略は労働問題も関係しています。製造コストを下げるために、賃金の安い発展途上国に生産拠点を置き、服の大量生産が行われます。そのため、そこで働く労働者は安い賃金で働かされ、長時間労働を強いられるといった、劣悪な環境であることも少なくないのです。

その問題が広く知られるきっかけとなった出来事が、2013年にバングラデシュで起こった「ラナ・プラザ崩壊事故」です。縫製工場が入ったビルでは、事故前から亀裂が発見されていましたが、多くの労働者が勤務していました。結果、8階建てのビルが崩壊。1,000人を超える死者が出てしまいました。このような悲劇を繰り返さないためにも、業界の在り方が問われています。

服を大切に 捨てる前にリユースを考える

このように、服に関する問題は数多く、私たちひとりひとりが考えなければならないことです。部屋を片付けていて、不用な服が出てきたら、ただ捨ててしまうのではなく何か別の方法はないか、ぜひ考えてみてください。

もし、引っ越しなど大量の不用品が出た場合は、もったいない運送までご相談ください。もったいない運送は服を含む不用品を回収するサービスです。

また、もったいない運送は利用される度に4つの社会貢献につながる仕組みとなっています。4つの社会貢献とは、売上の一部で購入した水浄化剤を途上国に寄付、途上国の自立支援、障がい者の雇用創出、環境保全です。服の他にも不用品を捨ててしまうことは「もったいない」と感じたら、ぜひご利用ください。

 

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