途上国は病気で亡くなる人が多い？医療の事情や原因とは

発展途上国と言われる地域は、さまざまな問題を抱えています。その中でも、途上国では多くの人が病気で命を落としている、ということが大きな問題として知られています。

実際に、途上国では病気が原因で命を落とす人は多く、特に子どもがその犠牲となっているのです。途上国の病気問題や医療事情についてご紹介します。

途上国は病気が多い？医療の事情は

国連の発表によると、2019年に死亡した5歳未満児は520万人であり、犠牲者は過去最少となりました。2000年には、約900万人の5歳未満児が死亡していたことを考えると、大きく減少したと言えるでしょう。

しかし、いまだに多くの子どもたちが死亡していることには変わりなく、2017年から2030年の間に死亡する5歳未満児は6,000万人と推測され、その半数は新生児であると言われているのです。そして、この新生児の死亡が多い場所は、サハラ以南アフリカ地域や南アジア地域といった、途上国だと考えられています。

さらに、途上国は妊産婦の死亡率も高いと言われています。特に、シエラレオネや中央アフリカ共和国といった国は、妊産婦死亡率が高く、改善が求められる状況です。

途上国で5歳未満児が亡くなってしまう原因は、多くが病気によるものとなります。しかも、その病気のほとんどは、先進国であれば予防可能、もしくは治療可能なものばかりです。途上国では、なぜそのような病気が猛威を振るっているのでしょうか。

途上国に病気が多い理由は、いくつもの原因が挙げられます。その中でも強く影響している原因をご紹介します。

世界中の3人に1人が適切な衛生を得られていない、と言われています。有名な例としては、衛生的な水とトイレを確保できないことです。

途上国の貧困地域では衛生的な水を確保することが難しく、汚染された水を飲まなくてはならない状況があります。衛生的なトイレを用意できない地域も多く、住宅も劣悪な環境に置かれているのです。そのため、下痢性疾患につながってしまうことが多く、結果的に命を落としてしまう子どもは少なくありません。

サハラ以南のアフリカでは、栄養失調の症状が見られる子どもが多く存在します。栄養失調は免疫系や感染症に大きく関係します。

途上国では貧困の悪循環に陥ってしまうことは珍しくなく、そのため十分な栄養も確保できません。貧困によって栄養を摂取できず、免疫が下がり、感染の対象となってしまうことで、命を落としてしまう人が増加しているのです。

WHOによると、世界人口の約30%が日常的に医薬品へアクセスできないと言われています、さらに、アフリカやアジアの貧困地域となる途上国では、その割合は50%に達します。

医薬品の価格が高くて入手できない、医者の数が足りていない、といった状況であり、途上国の人々は十分な医療を受けられないのです。そのため、先進国であれば治療できる病気であっても、途上国では命を落としてしまう子どもが多くなってしまいます。

途上国で見られる病気は、どのようなものがあるのでしょうか。

マラリアは、マラリア原虫という寄生虫によって引き起こされる病気です。マラリア原虫を持っている蚊に刺されてしまうと、感染してしまいます。

感染すると、発熱や嘔吐、下痢などの症状が見られ、早期に適切な治療を行わないと、短期間で重症化して死に至ります。マラリアは予防や治療が可能である病気であるため、徐々に対策は進んでいますが、まだ多くの子どもの命を奪っている状況です。

HIV・AIDSは、アフリカやアジアで深刻な問題となっている病気です。

HIVは、人に感染し、病原体への抵抗力を働かないようにしてしまう病原体。AIDSは、HIVに感染することで病原体への抵抗力が十分に機能しなくなって引き起こされてしまう、結核や肺炎などのさまざまな症状の総称です。

感染が増加している理由としては、性交渉や不適切な医療機器の使用、母子感染、検査が行われないままの輸血などが考えられています。途上国の貧しさでは対策が難しく、感染してしまうと家計はさらに切迫されるため、負の連鎖を生んでしまいます。

感染性胃腸炎は、細菌やウイルスが原因で腹痛や下痢を引き起こす病気の総称です。

途上国では、トイレや飲み水が衛生的に利用できないことから、感染性胃腸炎による下痢の症状で、命を落としてしまう子どもは少なくありません。特にロタウイルスは危険で、下痢による死亡の28%を占めます。

このように、途上国で病気による死亡率が高いのは、いくつもの原因があります。衛生面から栄養の問題、医療不足など、私たちに何かできることはあるのでしょうか。

誰にでもできる、途上国の支援方法としては、寄付が挙げられます。さまざまな団体が寄付を集い、途上国の問題を解決すべく支援を行っています。

また、不用品回収サービスである「もったいない運送」は、利用するだけで途上国の支援につながります。もし、途上国の支援に興味があれば、もったいない運送のサービス内容だけでも、ぜひご確認ください。