キング牧師ってどんな人?差別克服の重要人物は何をしたのか
キング牧師は、アメリカの黒人差別撤廃に人生を捧げたアフリカ系アメリカ人です。非暴力主義により黒人公民権を実現させたキング牧師の活動は、黒人差別の歴史に大きな前進をもたらしました。
今回は、キング牧師が生涯をかけて行った活動と人種差別に与えた影響について、簡単にご紹介します。
キング牧師ってどんな人?人種差別に大きな影響を
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(以下キング牧師)は、アメリカのキリスト教牧師で公民権運動(黒人の基本的人権を要求する運動)の指導者です。ガンディーの「非暴力・不服従」の理念に共感し、非暴力主義の人種差別撤廃運動を行いました。
特に「I have a Dream」という有名な演説は、公民権法成立に大きく貢献。黒人への法的差別撤廃を実現し、黒人差別の歴史に大きな影響を与えました。
キング牧師は何をした?その歴史をたどる
キング牧師が生涯を通し、どのような活動を行ったのか具体的に解説します。
初めての差別体験
キング牧師は1929年、アメリカ・ジョージア州で牧師の息子として生まれました。彼が初めて人種差別を体験したのは6歳の頃。隣家の白人男子2人と遊んでいたところ、その母親から突然「黒人とは二度と遊ばせない」と宣言されました。
当時のアメリカ、特に南部の州では黒人差別がひどく、黒人の公共施設利用を禁止・制限するなど法的にも差別が認められている状態でした。
モンゴメリー・バス・ボイコット事件
モンゴメリー・バス・ボイコット事件(1955年)とは、バスの白人座席に座った黒人女性(ローザ=パークス)が、白人に席を譲らなかったために逮捕された事件です。当時、バス座席の人種分離は州法と市条例で決められていました。
モンゴメリーの教会に牧師として赴任していたキング牧師は、この事件に激しく抗議しバスへの乗車拒否(ボイコット)運動を始めます。黒人たちは徒歩通勤したり、自家用車に乗り合いしたりして1年以上バスボイコットを続行。その結果、翌年1956年に裁判で勝利し抗議運動は成功を収めます。
この事件により公民権運動はアメリカに広く知れ渡り、キング牧師は公民権運動の指導者となっていきました。
非暴力主義と歴史的な演説
バスボイコット事件以降、キング牧師はインド独立の父・ガンディーの思想を継承し、「非暴力・不服従」を徹底した公民権運動を全米で展開。彼に賛同した人々が各地で座り込み、デモ行進、ボイコットなどを行いました。一方で、無抵抗な黒人たちに暴行を加える警察の行為がメディアによって世界中に広がり、黒人差別に反対する白人も増えていきました。
公民権運動が盛り上がった1963年、キング牧師らは首都ワシントンでリンカーンの奴隷解放宣言100年を記念する大集会を企画します。20万人以上がワシントン大行進に参加し、人種差別撤廃を訴えました。この集会でキング牧師は、「I have a Dream」という歴史的な名演説を行い、人々の共感を得ました。
その結果、翌年1964年7月2日に公民権法(アメリカ国内で人種差別を禁止する法律)、1965年に投票権法(選挙権行使における人種差別を禁止する法律)が成立。キング牧師は非暴力による公民権運動への功績が評価され、1964年にノーベル平和賞を受賞します。
黒人解放運動の分裂とベトナム反戦運動
公民権法成立後、キング牧師の非暴力主義に反対する過激派・極端派により黒人解放運動は内部分裂していきます。これは黒人の待遇がなかなか改善されず、差別も依然としてなくならなかったことから非暴力主義に限界を感じる人々が増えていったためです。
また、キング牧師がベトナム戦争に反対し1967年に反戦演説を行うと、アメリカ政府はキング牧師を敵とみなします。このことは、黒人の地位向上のためには政府に逆らうべきではないという意見をもつ他の黒人運動指導者たちとの決別にもつながりました。
キング牧師の暗殺とその後
苦しい立場に追いやられても、キング牧師は黒人の貧困問題について精力的に活動を続けていました。しかし 1968年4月4日、活動中に訪れたテネシー州メンフィスにあるモーテルのバルコニーで、キング牧師は銃により暗殺されます。犯人は、白人男性(ジェームズ・アール・レイ)と判明しましたが、単独犯かどうかや動機については現在も明らかになっていません。
キング牧師の死後、黒人による暴動が全米で勃発。過激派は武装革命を進めようとしましたが、1970年代には警察の弾圧によって衰退化します。しかし、そのころから投票権法(1965年)により黒人の投票率が上がり、政府の要職に就く黒人の数が増えていきます。
また1986年にはキング牧師の誕生日(1月15日)に近い毎年1月の第3月曜日を「キング牧師記念日」として祝日に制定。そのほか、暗殺現場が国立公民権博物館になったり、祈念碑が建てられたりとキング牧師の影響力は死後も続きます。
アメリカでの人種差別は、現在でも完全になくなったわけではありません。しかし、キング牧師の運動により公民権法・投票権法が施行され、法的に人種差別が撤廃されたことは黒人差別の歴史において大きな一歩といえます。
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